や乃字のなんてこっちゃ人生

身体が悪くなったら、みんなより半歩ゆっくりくらいになりました。

はじまりの時1「20代で突然寝たきり!?」

それはある日突然やってきた。

目覚めた時にはいそいそと働く制服の人が、「ここはS病院のICUですよー」と話しかけてきて、なんでかな?と思った次の瞬間には意識がなかった。

意識朦朧としていた目に入ったのは、なんだかもやの中に緑の服と頭のカバーをつけて、顔だけがおかんといも(妹)という姿の人たちが、

「ああ、起きた、お母さんだよ」

とかそんなことを言っていた。

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家族がやってくる頻度は少しずつ増えてきていたけれど、私の前にくるときはいつも変わらず身体に合わない緑かブルーの服を着て、ヘアーキャップを被っていた。

ヘアーキャップはおかんの小さい顔をますます小さく見せたし、いもは時々涙を浮かべていた。

 

このS病院は地元では特別悪い患者さんが救急で運ばれるという大きな病院。

おとんも昔、入院していたこのS病院。その時も相当悪かった。

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しかもおとんはICUの一歩手前の救急病棟にしか入ったことがなかったのに、いきなり私は病院内の一番危険な区域に入ってしまったのだった。