や乃字のなんてこっちゃ人生

身体が悪くなったら、みんなより半歩ゆっくりくらいになりました。

はじまりの時4「ごはんなんか無理〜!」

とは言え、脊髄損傷なのです。

手足がぴくっとでも動けば幸いで、

ぴくりとも動かなければ不幸。

その時のちょっとの幸いは、しびれはあるけど、なんとか少しは動かせるし、

触られたら「触られてるー」という感覚があること。

 

ところが、それより不幸なことが。

安静にしていればなんとかなりそうなものが、意外にもそうならなかった。

最悪の事態、首から下が麻痺の恐れが!!!!!

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この頭についてる装具。ハローシステムというのです。

私の首は、頭蓋骨に穴を開けた金具で固定されているのでした。。。

 

そして決まった再手術。

ICUから移ったばかりなのに、いろいろそんな聞かされたって、わたし、わかんない。

途端にきゅーーーーーーっと胃が痛くなって、ご飯が食べられなくなりました。

そのとき、看護助手さんが枕元に殴り込んできましたー!

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ま、でもね。。。

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はじまりの時3「ヘア無し!?」

で、渡された鏡。

なんでか腕が動かない。

自分でも不思議に思っていたけど、手足は骨折したようなギプスとかもはめていない。

なのに、手足は動いてもちょっとしかだし、やけに重い。

回ってくる先生たちはみんな手足を見ていく。触っていく。

 

でも、今、そんなことよりも!

いもにも手伝ってもらってなんとか触った頭には、

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髪の毛がなかった!!!!!

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実際には、一部あったけど。。。

 

 

 

はじまりの時2「オペ室はライトでギラギラ」

その次に目が覚めたのは、手術室の中で、光がとてもまぶしくて、誰かの声が、

「バリカンって方がそりやすいですよ、この間使って分かりましたし」

とか、「ああ、起きてきちゃったかなー、大丈夫ですよー」なんて言っているのを聞きながら、意識がまた遠くなっていった。

 

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その次は、またさっきのICUで、だけどなんでだか寝返りがうてない。隣のベッドの人が「熱い熱い」と騒いでベッド上で跳ねるのを、お医者さんや看護師さんが一生懸命押さえているのがとてもうるさかったけど、私はまた眠るしかなかった。隣のベッドの人たちは、目を開ける度にかわっていったけど、自分はなんだか変わらずにそこに居続けているような気がしてだんだん不安になっていった。
 
 

「こんな大変なことが起きているのだから、

ひょっとしたらおとんも何かあったかもしれない」f:id:yanomegumu:20150830233817j:plain

そんな不安をよそに、ICUにいる間はおとんは一回も顔を出すことはなかった。

 

幾日かがすぎ。

私はとうとう救急病棟へ移れることになった!

が、

看護師さんの一言。

 

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。。。なんだか嫌な予感がする。。。

はじまりの時1「20代で突然寝たきり!?」

それはある日突然やってきた。

目覚めた時にはいそいそと働く制服の人が、「ここはS病院のICUですよー」と話しかけてきて、なんでかな?と思った次の瞬間には意識がなかった。

意識朦朧としていた目に入ったのは、なんだかもやの中に緑の服と頭のカバーをつけて、顔だけがおかんといも(妹)という姿の人たちが、

「ああ、起きた、お母さんだよ」

とかそんなことを言っていた。

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家族がやってくる頻度は少しずつ増えてきていたけれど、私の前にくるときはいつも変わらず身体に合わない緑かブルーの服を着て、ヘアーキャップを被っていた。

ヘアーキャップはおかんの小さい顔をますます小さく見せたし、いもは時々涙を浮かべていた。

 

このS病院は地元では特別悪い患者さんが救急で運ばれるという大きな病院。

おとんも昔、入院していたこのS病院。その時も相当悪かった。

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しかもおとんはICUの一歩手前の救急病棟にしか入ったことがなかったのに、いきなり私は病院内の一番危険な区域に入ってしまったのだった。